SK-Marineです。今回は被写体生物へのアプローチについて考えてみたいと思います。
前回書いたこちらの投稿でお伝えしました通り、水中撮影をする上での3大要素は以下の3つだとお伝えしました。
- 完璧な中性浮力
- 生物と同化する
- カメラセッティングの瞬時の判断
今回は、この2つ目に挙げた、生物と同化するについて書かせて頂こうと思います。
これまで何度かプロの水中カメラマンの撮影風景を拝見したことがありますが、みなさん生物への寄り方が非常に美しいです。被写体と完全に同化していて、生物にストレスをかけないように徹底した配慮がなされてます。呼吸の泡、ライト、水流を考えたポジショニングなど、本当に素晴らしいです。そんなプロの方々を参考に、私も日々鍛錬しております。
こちらハナハゼのペアです。非常に警戒心が強く、ちょっとした刺激で砂地の巣穴に潜ってしまいます。いちど巣穴に入ってしまうと、しばらく出てきません。。手前味噌ですが、ハナハゼにここまで寄って2匹同時に撮影するのは、なかなかな高難易度です。一発狙いでシャッターを切って、逃げられて、それでおしまいでは良い写真は撮れません。なんとかして何度もシャッターを切らせてもらいたいですよね。
この写真を撮影したとき私は、少し遠いところからアプローチをし、まずはハナハゼにストロボに慣れてもらおうと考えました。超ゆっくり呼吸をして、時には呼吸を止めて、少し遠くからシャッターを何度か切ってストロボに慣れてもらいながら徐々に近づいていくという作戦です。この作戦はうまくいき、かなり近くまで寄って撮影することに成功しました。しかもストロボにも多少慣れてくれたようで、何度もシャッターを切らせていただきました。
ダイビングの安全管理としては、肺の損傷を防ぐためにも息を止めてはいけない。ということは知ってます。笑 しかし、深度が同じところでの息止めなので大丈夫でしょう。ということで、息をこらして敏感生物を撮影しております。息を止めることを推奨してるわけではありません。しかし、生物へのストレス緩和は、非常に重要であるということを理解してください。水中は我々の世界ではなく彼らの世界です。彼らを尊重して水中撮影を楽しみましょう!