A子さん。A子さんはお客様を訪問する時、全体の何割くらい聞いていて、何割くらい自分が話してますか?
そうですね。半々くらいですかね?
でもなんでそんなこと聞くんですか?
半々ですか?それではちょっと合格点はあげられませんね。。
合格点は、お客様6割以上、A子さん4割以下ですね。目標は、お客様8割、A子さん2割。これができるようになったら、一流ですよ。当然フェーズにもよりますが。
お客様が8割で、私が2割しか話さないのでは、全然製品説明できないじゃないですか。本当にそれで良いのですか?今でも売れてないのに、もっと売れなくなっちゃいます!
当然商談のフェーズによって、その割合は大きく変わってくると思います。しかし、その商談がまだまだ早いフェーズだった場合、営業はお客様の言葉におおいに耳を傾けるべきなのです。なぜでしょうか?
お客様のことをしっかり知ることが何よりも重要
皆さんはこんな経験が無いでしょうか?例えば自分が車が欲しくてカーディーラーに行ったとします。既にお目当ての車があるのであれば、その車に絞って説明を受ければ良いと思います。しかし、自分のライフスタイルで考えたら、どんな車が良いのかな?というまだ漠然とした状況だったとします。その時に営業マンがやってきて、”今はこのスポーツカータイプが大人気何です” ”このタイプでしたら、今すぐ試乗もできます” ”今ならお値引きします” と、果敢にセールスされたとして、皆さんは気持ちよくその提案に乗れますでしょうか?ましてや、スポーツカータイプは一番興味がないタイプだったとしたらその会話は苦痛でしょうがないです。
何かを提案する前には、必ず事前に多くの情報を仕入れる
先ほどの車のケースのように、営業マンが ”とにかくこの車種を売らなきゃ!” と思って、がむしゃらに売りこみをすることは、実はものすごく多いのです。売れないから上司に色々言われ、プレッシャー感じるから何とか早く売らなきゃと思って、ひたすら製品説明をしてしまう。これって最悪の負のスパイラルなんです。
実は本当にちょっとしたことなのです。もしこの営業マンが、特定の車種の売りこみをする前に、そのお客さんの家族構成や、趣味、車の用途、一軒家なのかマンションなのか、そういった現在のその方の周辺環境と、車が無いことで困ってる点や、車があれば助かる点。これらの情報を事前に聞いていれば、その後の提案のミート率が格段に上がり、提案の訴求ポイントが明確になってくるのです。
何を聞くべきなのか?
では、実際には何を聞くべきなのでしょうか?話を法人営業に戻しましょう。法人には当然部門があり、担当業務が決まっています。また役職によっても知ってる情報も見る視点も違います。
質問する相手に適した質問をしているか?
部門、役職、担当業務が違えば知ってる情報も、興味も基本的には何もかも違います。その人に適した質問がされているかどうか?ということは非常に重要です。質問にミート感がなければ、当然回答も良い回答が得られないですし、何といってもお客様に馬鹿にされて、もう2度と会ってくれなくなるでしょう。実は、このことをレクチャーするだけで、結構な時間が必要です。奥が深いですよ。
示唆質問と限定質問をうまく駆使してお客様の潜在的ニーズを引き出せているか?
このことはもっと奥が深い。お客様の潜在ニーズを炙り出すための高等テクニックです。ここでは簡単にだけお伝えしておきます、示唆質問とは、お客さんが持っているであろう課題を想定して、そういった課題があるということを明確化するために誘導する質問です。そして限定質問とは、Yes or Noで回答できる質問です。特に限定質問をする時には、お客様が必ず “Yes” と答えるように上手に質問します。心理学的に、Yesを連続する方が相手との心理的距離が近づくことが証明されています。
奥が深すぎて難しいですが、是非とも挑戦して見たいです。何だかこれができるようになるだけで提案の深みが増して、売れる営業になれる気がします。
A子さん。是非頑張ってください。期待してます!