法人営業において正確な売上予測をする方法

セールスマネージ

正確な売上予測は営業マネージャの命

 営業マネージャにおいて、正確な売上予測を会社に報告するという業務は、最も重要な任務の一つです。英語ではForecast Accuracy と言います。私がこれまで勤めてきた米国企業は、いずれの会社でもForecast Accuracyは非常に厳しかったです。四半期の期初に出した売上予測を四半期の終わり頃に突然売上予測を落としたりしたら、上司はそれはそれは大激怒です。その状況が何期も続くと、会社にいられなくなって去っていく人もいたりします。米国企業はそれくらいForecastに厳しいのです。私はこの約20年間、米国企業でこの厳しいForecastを毎四半期やってきました。そして幸運なことに、この20年間、私のForecast Accuracyは割と正確でした。ここでは、そのやり方についてご説明いたします。しかしながら、これは本当に奥が深いので、ここでは概要のみを書かせていただきます。この手法についてもっと知りたいという方は、弊社までお問い合わせください。

1st Lineマネージャは、翌四半期が始まる前までに、翌四半期の案件を全件確認する。そして自分で振り分ける。

 ビジネスの形態により、案件の数や規模はそれぞれ違うと思います。非常に少額で沢山の案件が毎四半期来るようなビジネスモデルもあれば、いくつかの少し大きめのKey Dealがあって、それ以外は小粒な案件で構成されている場合もあります。ましてや、そもそも販売店に完全に頼っていて、販売店から報告を受けた売上予測の数字だけが頼りの場合もあります。それでも1sy Lineマネージャは、翌四半期の案件の全件を営業からの報告をベースに確認します。そして次の四半期が始まる前までに、Commit, Upside, Pipelineなどの案件ステージを自分で振り分けます。実は、これがミソなのです。一般的には、それぞれのステージの振り分けを、1st Lineマネージャが営業に指示をします。でもこれって、全体感が掴めなくなるんです。ましてや営業は(私も含めて)無駄なプレッシャー受けたくないので、なるべく当たり障りなく数字を組み立てようとします。正確な売上予測と、適正なビジネスマネージをするためにも、この期初の案件の振り分けは、全て1st Lineマネージャが全体感を持って、自分のリスクで組み立てるのです。そして、案件把握のポイントは、一番シンプルに、BANTのみです。(BANTについては一般論として公開されているホームページが多数ありますので、わからない方はそちらをご確認ください。)

1st LineマネージャはロックオンするKey Dealを決める

 1st Lineマネージャは、案件の振り分けが終わったら、次にその中から自分がロックオンするKey Dealをセットします。この案件はその他の案件と違い、1st Lineマネージャ自身も案件獲得のための主体者の一人としてこの案件を決めるために徹底的に手を尽くします。どんな手を尽くすのか?それはこの投稿ではなく、もっと別な投稿でご説明させていただきたいと思います。

案件の進捗度合いと受注確率は違うものであることを認識して売上予測を組み立てる

 案件をマネージする場合、企業様ごとにその管理方法は違うと思います。ですので、ここでは仮の案件管理指標を示した上でご説明いたします。案件を管理するには、まずは以下の3つの指標を使います。

  • 案件のステージ(Commit、Upside、Pipeline等)
  • 案件のフェーズ(課題が見つかったフェーズ、提案したフェーズ、予算化されたフェーズ等)
  • 案件の受注角度%(どのくらいの確率で取れそうか)

 1st Line Managerは、このそれぞれの状況を把握した上で、Must winの案件を決めます。Must Winに入れるのは、以下の2つです。

  • 状況からして確実に取れる案件
  • リスクはまだあるけど受注シナリオが成り立つので、取れると見込んでいる案件

 そしてこの二つのタイプの案件を合算した金額と、自分に与えられた売上目標を見比べます。この時点ですでに予算達成であれば、こんなに幸せなことはありません。普通は全然足りないことが多いのです。。そこから1st Lineマネージャは、補充案件を探します。この作業の繰り返しで、売上予測を組み立て行きます。これ以上は奥が深いので、この話はここまでにしておきます。。

売上予測を組み立てた案件の入れ替えタイミング

 当然ですが、どんなに色々予測を立てても、期初に組み立てた売上予測に組み込んだ案件リスト(In Forecast Pipeline)は、全てが思うように行くわけではありません。必ず事件は起こります。ですので、この案件リストはタイミングを見て入れ替えることが重要です。その入れ替える割合は、以下の割合が健全だと思ってます。

  • 四半期初月:期初に組んだ案件の40%くらいは入れ替わる
  • 四半期2ヶ月目:2ヶ月目に入った時点の案件リストの20%くらいは2ヶ月目の終わりには入れ替わる
  • 四半期の最終月:最終月に入った時点では、取るべき案件がほぼ固まっている。想定してなかった失注(サプライズ)は許されない

 最終月は痺れますよね!

会社としての売上予測

 会社としての売上予測は、1st Lineマネージャがしっかりしていれば非常にやりやすいです。売上予測の正確性を担保し、成長をやり遂げるには、優秀な1st Lineマネージャをいかに育成するかがポイントになっております。このことに重点を置いた、実績ある経験者による伴走型のトレーニングを当社では提供しております。よろしければご検討くださいませ。

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